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これは、無意識のうちに生じた神経・筋肉系の緊張を意識的に弛緩させることによりリラックスする方法で、アメリカの医学者エドマンド・ジェイコブソンによって開発されました。
リラクセーションとは、筋肉を弛緩させることで、筋肉を緊張させ、次いで力を抜いてゆるめ、その部分がリラックスしたことをはっきりと感じることです。
最初は右手などからだの一部分のリラクセーションを会得し、その後、右腕全体、両腕というように漸進的に範囲を広げていきましょう。
寝転がった状態で目を閉じ、意識的な筋緊張から脱力の順で緊張を軽減します。この時その部位に意識を向けることが重要です。長所としては意識的リラックスが可能(ストレスによる不安、緊張を解消し、関連疾患の予防、軽減に効果的)であるのに対し、時間がかかり習得が難しいのが難点です。そのため簡略化筋弛緩法や呼吸法との組み合わせが良いといわれています。
筋肉の緊張を取り去ることによって余分な刺激を頭に送らず脳の興奮を和らげ心身のリラックスができます。
練習はからだのどこからはじめてもよいのですが、利き腕から取り組むとリラックス感がもっとも得られやすく、自分で触れてみる、動かしてみるなど、リラクセーションの程度を見当づけられるので、利き腕から取り組むことをお勧めします。なお、練習場所などについては、自律訓練法と同じです。
◆リラクセーションを進める部位と順序
手と腕(右手→左手→両手→前両腕→両腕二頭筋)
顔(額→目→あご→舌→唇)
首(後→右→左→前)
肩(上下→前後)
胸
腹
背中
脚
全身
漸進的リラクセーションの進め方
あらかじめ、次の手順を録音しておき、その声に従ってリラックスすることをお勧めします。また、同時に大きな鏡の前で自分の姿を見ながら練習すると習得が早いでしょう。
この練習は一度に全部を行うわけにはいかないので、@、A・・・と少しずつ区切って、@からGまで一つ一つ完成させてから次へ移りましょう。
各練習終了後はすぐに立ち上がらず、1分間程度目をあけたまま静かにそのままの姿勢で過ごしてください。
〈1〉−A:手のリラクセーション
気分を楽にしてリラックスし、くつろぎましょう。右手のこぶしを固く握り締めます。そのままの状態で手の緊張の具合を確かめます。右のこぶし、手、前腕に緊張を感じましょう。(約10秒、左利きの人は左手から)
今度は一気にリラックスしましょう。右手の指をゆるめ、緊張したときとどう違うかをよく味わいます。(約20秒)
もう一度右手のこぶしをしっかり握り締め、そのまま緊張に注意を向けます。(約10秒)
リラックスします。指を緩めてもう一度、緊張との違いに注意を向けましょう。(約20秒)
今度は左手です。左のこぶしを握り締め、からだの他の部分はリラックスさせます。(約10秒)
リラックスします。違いをよく味わいましょう。
もう一度、左こぶしを固く握ります。(約10秒)
リラックスします。よくリラックスしてその違いを味わいましょう。そのまま、しばらの間リラックスし続けます。(約20秒)
今度は両方のこぶしを固く、ギュッと握り締め、前腕を緊張させ、その感覚をよく味わいましょう。(約10秒)
リラックスします。指を伸ばし、リラクセーションを感じましょう。手や腕をもっとリラックスし続けましょう。(約20秒)
〈1〉−B:腕のリラクセーション
肘を曲げて二の腕に力を入れます。肘を強く引き締めてその緊張感覚を確かめましょう。
リラックスします。腕を元に戻し、力を十分に抜きましょう。(約20秒)
もう一度、肘を曲げ、力を入れます。緊張を保ち、それをよく感じましょう。(約10秒)
腕を元に戻してリラックスします。できるだけリラックスしましょう。(約20秒)
次は腕を力一杯伸ばします。二の腕の筋肉(二頭筋)の部分に力を入れ、緊張を感じましょう。(約10秒)
リラックスします。腕を楽な位置に戻します。そのままリラクセーションを続けましょう。リラックスするにつれて腕に気持ちよく重い感じが強くなってきます。(約20秒)
もう一度、腕を力一杯伸ばします。力を入れて強く緊張を感じましょう。(約10秒)
リラックスします。腕の完全なリラクセーションに注意を向けましょう。両腕を楽にして、どんどんリラックスします。もっと腕をリラックスし続けます。腕がすっかりリラックスしたと思われても、もっとそれを続けましょう。もっともっと深いリラクセーションに入るようにしましょう。(約20秒)
〈2〉−A:額のリラクセーション
からだじゅうの筋肉を緩め、静かに楽に後へもたれます。額に皺を寄せます。もっと固くもっと固く皺を寄せましょう。(約10秒)
一気にリラックスします。楽にして皺を伸ばします。額から頭にかけて皺がなくなると想像しましょう。(約20秒)
額をしかめ、眉に皺を寄せます。(約10秒)
リラックスします。緊張を取り去り、額の皺を伸ばしましょう。(約20秒)
〈2〉−B:目のリラクセーション
目を固く閉じます、もっと固くもっと固く…(約10秒)
閉じたままの目の力をパッと抜き、楽にリラックスします。目はそっと楽につむったままにして、リラクセーションに注意を向けましょう。(約20秒)
〈2〉−C:あごのリラクセーション
あごをかみ合わせて歯をギュッとかみ締めます。下あご一杯に広がった緊張をよく確かめましょう。(約10秒)
リラックスします。上下の歯と唇を軽く離します。…唇のリラクセーションをよく確かめましょう。(約20秒)
〈2〉−D:舌のリラクセーション
舌を上あごの天井に強く押しつけます。舌の緊張を十分確かめましょう。(約10秒)
リラックスします。もとのリラックスした楽な位置に舌を戻し、リラクセーションを感じましょう。(約20秒)
〈2〉−E:唇のリラクセーション
唇をつぼめ、上唇と下唇を押しつけます。もっともっと固く押しつけましょう。(約10秒)
リラックスします。緊張とリラクセーションをよく比べてみましょう。リラクセーションを顔全体に感じましょう。額、頭、目、あご、舌、唇にも感じよう⇒ましょう。リラクセーションがどんどん進んでいきます。(約20秒)
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