「人生におけるもっとも大きな仕事は、人が自分自身に誕生を与えることであり、自分の内にある可能性を実現させることである。人間が努力してつくりあげるもっとも重要な労作は、自分自身のパーソナリティーの形成である」(エーリッヒ・フロム)
「汝自身を知れ」古代ギリシャのデルフォイのアポロン神殿に刻まれていたといわれるこの言葉は、ソクラテスによって紹介された有名な言葉ですが、これほど私たちに重要で、そして壮大なテーマはおそらく他にはないのではないでしょうか。
私たちは、目や耳などの感覚器官が外に向いているために、どうしても意識が外に向きやすいといわれています。そのため、他人のことはよく見えるのに自分のことは実際のところよくわかっていないのが実情のようです。
自分らしく(・・・)生きたいと誰もが願いますが、自分がわからなければ、自分らしく(・・・)生きようがありません。
ヨーロッパに、次のような寓話があります。
若いキコリは毎日何本も木を切っていましたが、 とうとう1日に1本の木しか切れなくなってしまいました。
親方は若いキコリに「おまえは斧を磨いでいるか」と尋ねました。
若いキコリは「いいえ、毎日、忙し過ぎてそんな暇はありません」と答えました。若いキコリは、目の前の木を切ることだけに没頭し、斧を磨くことを怠っていました。
激変するスピードの時代に生きる私たちに、この寓話は次のように語りかけてくれます。
『あまりにも忙しい毎日を生きているため、じっくり自分に向かい合い、自己との対話(内省)をすることもなく、次々と目の前の木を切ることだけに懸命になってはいないだろうか』…と。
人生を豊かにできるかどうかは、自分が自分についてどのように把握しているか、また、どの程度、自分を理解しているかにかかっています。なぜなら、自分をしっかり理解していれば、何をはじめ、何に取り組んだらよいかなど、さほど迷うことはないからです。
自己発見とは、新しい自分を探すことではなく、いままでの自分、これからの自分を“新しい目”で見ていくことです。
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