■リーダーの役割の変化
組織のスリム化を図ることが企業生き残りの条件となってきた今日、リーダーに期待されている役割とその内容が急激かつ大きく変わりつつあります。
従来から言われている以心伝心で「ヒト・モノ・カネの管理をし、部下を通じて仕事を達成していく」だけのリーダー像では、時代の要請に適合できなくなってきました。いわば管理命令型のリーダーから真のリーダーへの変貌が迫られているといえます。
◆エンパワーメントできる人材を育成する
いかにメンバーをモティベートできるか、あるいはコーチングできるか、またメンバーといかにコミュニケーションを図り、組織力を高めていけるかが、リーダーにより鮮明に求められています。もはや管理者一人の力では限界にあり、これからはメンバーに権限を与えること、即ちエンパワーメント(メンバーが本来持っている個性、能力を発揮させる)することによって、彼らのやる気と創造性を高めていく必要があります。
SLUは、メンバーの一人ひとりの開発レベルに合わせたコミュニケーションを図ることによって、彼らのやる気と創造性を引き出し、一人ひとりを自律的に仕事ができる存在として育てる(引き出す)、即ちエンパワーメントできる人材を育成するための実践的スキルといえます。
◆より効果的なOJDの実施のため
OJT(On The Job Training)は各社で実施されていますが、現実には「見様見真似でやれ」という放任に近いのが真相です。計画的体系的に立案され実施されチェックされていることは意外に少ないのが実態です。それでは現実の効果性に乏しいのも止むを得ません。一人ひとりの社員によって能力差が目立ってしまい、全体としての戦力化にばらつきが目立ち、また一人前に育つのに時間がかかっています。生産性向上、能力向上が強く叫ばれている今日、一日でも早く戦力になってもらうためにはOJTの見直しが必須です。
OJTからOJD(On The Job Development)へ!
◆非効果的なOJTと効果的なOJD
非効果的なOJT |
効果的なOJD |
- 無関心でなにも指導しない
- 気分により、またメンバーによりムラのある指導をする
- メンバーの求めているものを軽視して独断と偏見で指導する
- メンバーのやるべき仕事を安易に引き受けてしまう
- 効率的な時間の使い方ができない
- 期限と目標を明確に示さない
- 指示命令に仕方が具体的でない
- 結果について何もフィードバックをしない
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- 常に目標とステップを明示している
- メンバーの気持ちをよく理解している
- 常に準備を整え、明快な指示・支援と話し合いを欠かさない
- メンバーの開発レベル(成熟度)に合った指導をしている
- その仕事の当事者は誰かをよく承知している
- 効果的な時間の使い方をしている
- 期限や目標を明示し , 適切なフォローアップを続けている
- 指示や支援の仕方、報告の受け方を知っている
- 賞賛の仕方や叱責の仕方をよく知っている
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◆期待される効果
- リーダーがその場(職場)にいなくても、業務が正しく順調に遂行されるようになる。
- メンバーが自律的に働くようになり、職場の生産性が大幅に向上する。
- メンバーが主体性をもって働けるようになりリーダーが本来の仕事を遂行できるようになる。
- 一人ひとりがより満足して働ける環境の整備が図れる。
- 「それは我々がやったのだ」という、一人ひとりの自己実現・自己満足が達成でき、職場のモラールが向上する。
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