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Contents
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ストレスと上手につき合う認知行動心理学
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認知行動心理学とは
自動思考に代わる考えに気づくポイント
視野を広げよう
認知行動心理学の自己学習〔セルフラーニング〕
自動思考とは
コラム集〔こころの柔軟体操〕
認知の歪みに気づくパターン
 
11:コラム集〔こころの柔軟体操〕
→スランプの正体  →自分の“症状”を“診断”しよう  →スランプ症状を知る  →変化を取り入れ、気分を一新しよう  →自信をつけよう  →自信を取り戻そう  →こころに弾みをつけよう  →こころにメリハリをつけよう  →マイナスイメージを一掃しよう  →頭の息抜きをしよう  →自分の良い点を見つけよう  →スランプ体質を改善しよう
スランプ症状を知る

◆1日の行動を記録しよう

スランプに悩んでいる人は、自分のダメなところだけに目が向く傾向が強くあります。実際には、生活の中でうまくいったことがあるのに、そのことに気がつかなかったり、忘れたりしている場合が多いのです。できないこと、ダメなことにばかり頭がいってしまうため、できることまで「できない」と思い込んでしまっているのです。

その結果、他人からみたら、それほどひどくないと思えることを、「ダメだ、うまくいかない」と、悩んでしまうのです。こういうときには、自分で悩むほどダメなわけではないということを、客観的に知ることが大切です。それがわかるだけでも、スランプ脱出のきっかけが生まれてきます。

自分を客観視する方法としてまず行ってほしいのが、自分の行動を細かく書き出してみるということです。「書く」という作業は、自分では気づかない行動を、自覚させてくれる効用があります。よく、「家計簿をつけるだけで、とくに努力をしなくても家計の赤字が減るようになった」という話を聞くでしょう。これも、書くことがもたらす“気づき効果”のためです。

生活をしていれば、あれこれとお金がいるものです。しかし、あわただしい毎日のなか、いつもお金のことばかり考えているわけではありません。たとえば「駅のホームでガムを買った」といった、ちょっとした出費は忘れてしまいやすいものです。それが重なると、「そんなに使ったつもりもないのに、いつの間にかお金がない」といったことになります。家計簿にいちいちつけることで、そうした出費に気づくことができます。それが、自然に買い控えをもたらし、家計の赤字を減らすのです。

同様に、自分の行動を一つひとつこまかく記録すると、いつも失敗ばかり、ダメなことばかりではないことに気づきます。たとえば、仕事でスランプだと思い込んでいたとします。しかし、仕事とひと口でいってもその内容はいろいろあります。営業回りもあれば、書類整理、報告書づくり、会議、取引先の接待などさまざまです。なかには、スランプ中とはいえ、それほど苦手でなく、スムーズに進められるものもあるはずです。

そこに気づけば、「仕事がダメだ」という悩みが、「仕事の中でも、資料整理はいいのだが、報告書づくりがうまくいかない」と具体的な問題として見えてきます。スランプ状態のいまでも、できることがあるとわかれば、仕事に対する苦痛はやわらぐし、少しは自信ややる気も回復します。


◆行動したときの気分と満足度を記録しよう

自分を客観視するための方法として、行動記録をつけてみると述べましたが、それぞれの場面で自分がどう考えたり、どのように感じたかも一緒に書いてみると、さらに自分の現状を客観的に知る上で効果的です。「不快感があった」「情けないと思った」「悔しさを感じた」など、自分の感情や考え方といった、そのときの気分を書き出していくのです。そうすれば、行動とそれに対する考え方や気分の関係をつかみやすくなります。

この仕事をしているときは沈み込んでいるが、別の仕事のときはそうでもない、同じ仕事内容でも、こういう行動をとったときはそれほど沈んでいない、などという違いがわかってくることもあります。高所恐怖症の人でも、5階に昇ると恐いが、3階ならそれほどでもなかった、という場合もあります。

それがわかれば、気持ちをコントロールする手がかりがつかめるようになります。
スランプの時は朝から晩まで、何から何まで悪いという見方をしてしまうのですが、実際にはすべて嫌なのではなく、嫌でない時もあることに気づくことができるわけです。

また、スランプ中の気分の特徴に、何をやっても不満ということがあります。仕事で多少成功しても不満、遊んでいても不満、家にいてもおもしろくないと、不満ばかり感じてしまいます。しかし実際は、少しは満足感はあるはずです。ただ、それに気づいていないだけなのです。そこで、生活の中での満足感に気づくために、行動記録表の中に満足度を点数化して書き込んでみるとよいでしょう。

5段階評価、あるいは100点満点でもいいので、まったく満足感がない場合を1として、行動ごとにつけていきます。0やマイナス点はつけません。たとえば商談が失敗した場合でも、お客様と知り合い、会えば「こんにちは」と挨拶するくらいの仲にはなれた、とすれば、100%の失敗と思わずに、満足点をつけてやります。

つけてみるとわかりますが、行動を起こしたときの気分、つまり落ち込み度と、結果に対する満足度がいつも比例するとは限りません。落ち込み度はそれほどではないが、非常に不満ということもあれば、逆の場合もあります。これらを見比べて、自分の感情の複雑な変化を数字という形で見るのも、自分を客観視する上で良い材料となってくれるのです。

<行動をチェックして、スランプの自分をもう一度見直そう>
● 行動記録表の作成例 ●

時 間
行 動
気 分
落ち込み度
満足度
9:00 出社 上司が遅く来ると知ってほっとした
9:00〜9:45 伝票の整理 枚数が多いのでうんざりした
9:45〜10:30 打ち合わせ 意味のない話ばかりで退屈だった
10:30〜12:00 書類作成 上司と会わなくてすむので張りきった
12:00〜1:00 昼食 ランチがおいしかったので満足した
1:00〜1:50 書類作成・提出 だいぶあきた。やっと終わってさっぱりした
1:50〜3:45 得意先まわり 嫌味を言われるので憂うつだった
3:45〜4:10 上司に報告 いつどなられるかと思い緊張した
4:10〜5:20 報告書作成 どなられずにすんでうれしく、がんばろうと思った
5:20〜5:30 後片付け もう少しで終わりなので、ワクワクした
5:30 退社 疲れた


◆日記を読み返そう

過去の日記を読み返し、あのときこんなことに悩んでいたのか、いま思うと、なんとバカバカしいことだと、自分の成長に気づき、あらためて、現在の自分の心理を見つめ直すといった精神的効用があります。

私たちは思ったほど、過去のことを覚えていません。とくにスランプのときは、“スランプ思考”でマイナスのことばかり考えてしまっているので、昔あった良いことなど、なかなか思い出すこともありません。そういう偏った判断材料の中で、「自分は無能な人間だ」などと自信を失っています。

このとき昔の日記を見るということは、この偏った判断材料にプラスの材料を加えてやる効果があります。たとえば3ヵ月ほど前、まだスランプになっていない頃の日記を見てみます。休日出勤覚悟で仕事をしていたところ、思ったよりはかどって土日はゆっくり休めたという日があったり、営業成績が伸びて、けっこう鼻高々だったという日もあるかもしれません。

日記はそれが文字として間違いなく残っているので、これまで、よかったこともあったという客観的“証拠”になります。このことが、自信を回復する手立てとなるのです。

アーロン・ベックという認知療法を提唱したアメリカの精神科医が、こころの病に悩む患者さんに、おもしろい言い方をしています。「どうしてこういうことで悩んでいるのか、どうすると立ち直れるのか、ということを調べるための科学者になってみませんか」と話しかけるのです。ただ泥沼の中で、ダメだダメだともがいているのではなく、客観的に物事をとらえ、理解していこうという発想です。その“証拠集め”の一つとして、昔の日記が効果的なのです。

もう一つ、昔の日記を読み返すことの効用として考えられるのは、日記の中にうまく振る舞えた自分、スランプではなかった頃の自分という、良いモデルが見つけられるかもしれないということです。たとえば、サッカー選手がスランプに陥ったときに、自分が最もいいときのプレーを、ビデオで繰り返し見るのと同じようなものです。

スランプのときは、過去にそういう良いことがあったということすら忘れているものです。日記をつけている人は、その客観的証拠を活用できるのです。いままでつけていない人も、スランプだと思ったその日からでも、ぜひ一度つけてみることをおすすめします。


◆落ち込み度を評価しよう

「自分はダメだ」と落ち込んでいる人は、すべてのことをネガティブにみてしまいます。また、いったん「嫌だ」と思ってしまったことには、「二度としたくない」「見たくない」という気持ちばかりが強くなります。

こういうとき、ただ「嫌」「苦手」とひと言で片付けてしまいがちですが、冷静に考えてみると、「すべてが同じくらいイヤ」ということは、ありえません。そのときに感じる気分というのは、白か黒、0か100と単純に分かれるものではありません。また、同じ事柄でも、時がたてば、嫌さの度合いが変化することもあります。

自分が感じているその時々の気分を客観的に知るために、気分を点数化してみることをおすすめします。「とにかく嫌なものは嫌」と主観的に感じていたものが、点数化という作業をしてみることにより嫌といっても、その程度にはずいぶん違いがあることに気づくようになります。

たとえば、いま自分が対人関係で悩んでいるとしましょう。社内で話をしたときだけでも、「大勢の一員として話す場合」「相手が異性の場合」「親しい友人とだけ話す場合」などさまざまなシチュエーションがあります。会社でなら平気だが、電車の中だと話せない、という場合もあるかもしれません。

ものすごく嫌だった、ひと言も話せず落ち込んだといった場合には5点、わりと気軽に話せて、まあまあ楽しかったと思ったら2点という具合に点数をつけていきます。あとでそれを眺めてみると、すべてが嫌なのではなく、場合や場面によること、また嫌のなかでも大小があるのだということがわかってきます。それなら、この問題を解決するにはどうすればいいんだ、という方向で物事を考えるきっかけづくりになるのです。


◆カードを使って順番に並べる

いきなり悩みを点数化しようと言われても、慣れないうちは、なかなかうまくできないかもしれません。

こういうときは、カードを使ってみるとよいでしょう。たとえば、仕事でスランプを感じ、「もう会社に行くのも嫌だ」という場合、「ここ1ヵ月で自分が嫌だと思ったことを5つあげてみよう」と考えるのです。そうすると、「自分がかなり力を入れて取り組んだ仕事を、上司にいやみったらしく欠点を指摘された」「上司から、遅刻の罰に休日出勤を命じられた」「毎朝の満員電車が嫌でたまらない」など、自分が気になっていることなので、5つくらいすぐ出てきます。それを1項目ごとにカードに書いていきます。

そして、そのカードを、もっとも嫌だと思ったものから順番に並べてみるのです。これなら、点数化がうまくできなかった人でも、はっきりと出てきます。満員電車が嫌でたまらないというようなものは、嫌の中でも軽く、上司が自分の仕事を正当に評価してくれなかったことがいちばん嫌だった、などとわかります。

何から手をつけていけばいいのかが、はっきりと目に見えてくるというわけです。混乱した状況を混乱した頭で考えても、良い答えは出てきません。カード化した状態なら、頭を整理して客観視もしやすくなります。

とにかく何もかもうまくいかないと落ち込んでいるような場合、ここ1ヵ月くらいにあった嫌なエピソードを10から15くらい拾い出し、カードに書いてみます。そのなかから、比較的マシだったという場面をひとつでもいいから取り出してみます。たとえば、大学時代の友人と久しぶりに話をして、まあまあ楽しかったというようなものです。このカードをいちばん左に置いて、いちばん右にもっとも嫌だと思ったカードを置きます。あとは嫌の度合いにしたがって並べていきます。そして、10段階でも100点満点でもいいので点数化してみます。嫌なことが多くあったときは、こうしたやり方のほうがやりやすいでしょう。

カード方式は、嫌とひと言で片付けていたものが、事柄や状況によってずいぶん違うことが、視覚的にわかるというメリットがあります。いちばん軽度の位置に置かれたカードを見ているうちに「この程度のことなら、なんとか解決できそうだ」とでも思えたらしめたものです。
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