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Contents
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ストレスと上手につき合う認知行動心理学
INDEX
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認知の歪みに気づくコラム法
こころの中の会話
自動思考に挑戦するコラム
認知行動心理学とは
自動思考に代わる考えに気づくポイント
視野を広げよう
認知行動心理学の自己学習〔セルフラーニング〕
自動思考とは
コラム集〔こころの柔軟体操〕
認知の歪みに気づくパターン
 
11:コラム集〔こころの柔軟体操〕
→スランプの正体  →自分の“症状”を“診断”しよう  →スランプ症状を知る  →変化を取り入れ、気分を一新しよう  →自信をつけよう  →自信を取り戻そう  →こころに弾みをつけよう  →こころにメリハリをつけよう  →マイナスイメージを一掃しよう  →頭の息抜きをしよう  →自分の良い点を見つけよう  →スランプ体質を改善しよう
スランプの正体
◆自分自身で作り出しているスランプ

スランプという言葉は、日常的によく耳にします。仕事で最近、どうも取引先との契約に失敗ばかりしている、これで5回連続で取り逃がしたといった場合や、やることなすことすべてうまくいかず、自分は本当はダメな人間で、いままでうまくいっていたこともただのマグレだったように思えてしかたがないといったような場合がそうでしょう。

ひと口にスランプといっても、その状態は人それぞれです。スポーツをはじめ、私たちが日常生活で体験する仕事や勉強、あるいは対人関係などその範囲は幅広く、どのような状態がスランプで、どうすれば脱出できるのかということもわかりづらいものです。はっきり、「こうした状態がスランプだ」と決めにくいだけにやっかいです。

スランプとはひと言でいえば、「こころの落ち込み状態」のことです。どんなに成績が悪くなっても、仕事がはかどらなくとも、本人が気にしなければ、スランプとはいいません。「まあ、こんなときもあるさ。次から、がんばればいい」と笑って受け止めることができれば、すぐにもとの状態に戻るものです。

問題は、これを深刻に受け止め、必要以上に落ち込んでしまうときです。仕事や勉強、対人関係などでうまくいかないとき、「もうダメだ」「自分は無能なんだ」などと落ち込んでしまいます。その結果、集中力を欠いたり、考えがうまくまとまらなかったり、あせりや不安感などが生じてきます。やがて自分に自信がなくなり、一日のうちほとんど、そのことについてばかり考えてしまいます。これこそまさに、スランプ状態です。

こうなると、考え方もネガティブになりがちで、気分がふさぎこんでいきます。いつしか生活全般にまで支障をきたすようになり、親友に会っても楽しくない、家族の顔を見てもうっとうしいだけ、遊びに行っても楽しくないといった“症状”が現れます。
たとえば、一つの仕事がうまくいかなかったことをきっかけに、自分の能力に自信がなくなり、朝から晩まで自分が仕事ができないと思い込んだことはないでしょうか。あるいは、はじめは上司とうまくいかないというだけのはずが、いつのまにか仕事まで嫌になり、うまくいかなくなってしまうという場合もあります。こうなると、もうスランプの泥沼状態といっていいでしょう。

同じ失敗をしたときでもスランプになる人とそうでない人がいるように、スランプとは、その原因の大部分が「こころの問題」にあるのです。スランプ状態を作り出しているのは自分自身で、こころの問題を解決すれば、スランプはしぜんに脱出できるのです。


◆スランプに陥りやすい体質

人がスランプに陥り、そこから抜け出せなくなるには、3つの要因があると考えられます。それは、“スランプ思考” “スランプ行動” “スランプ体質”の3つです。「スランプに陥ってしまいどうにもこうにもうまくいかない」というとき、いずれかの要因、あるいはそれぞれが混ざり合うことによって、スランプから抜け出せなくなっています。

“スランプ思考”とは、スランプに陥ったときのものの見方や考え方です。「自分はダメだ」と落ち込み、「どうせまた失敗する」と思い込んでいます。頭の中に否定的なことばかりが浮かび、それらが堂々巡りをして、前向きな発想ができなくなっているような思考状態をいいます。
“スランプ行動”は、スランプのときに犯しやすい行動のことです。自信をなくしていたり、必要以上に緊張しているため、ふだんどおりの行動ができません。つい消極的な行動ばかりとったり、萎縮してさらに失敗してしまいます。そして、失敗によってさらに自信を失い、ますますいつもの行動がとれなくなり、調子が狂ってしまうといった状態です。

“スランプ体質”とは、いわば、スランプになりやすい性格、あるいは、そうした性格を持っている人のことです。スランプの中でもやっかいなのはこの“スランプ体質”で、こういう人は、根本的な考え方を変えていく、いわば、“体質改善”をしないと、たとえそのときはスランプから脱出できたとしても、ちょっとしたことですぐにスランプになってしまいます。

何か失敗したり、うまくいかなかったとき、その原因をどこに求めるかは、その人のふだんの考え方によって、大きく2つに分かれます。自分の外に求めるか、内に求めるかです。たとえば、仕事で失敗したとき、原因を外に求める人は、「期限が短すぎたのがいけない」とか、「こんな職場に配置する会社が悪い」などと考えます。一方、内に求める人は、「今回、さぼったからな」とか、「自分は無能だから」などと、努力や性格など、自分自身のせいにしたりします。

自分の外に原因を求める人は、自分が悪いとは思わないので、必要以上に落ち込んでスランプに陥ることはありません。むろん“スランプ体質”でもありません。また、自分の内に原因を求める人でも、「努力が足りなかった」「体調が悪かった」などと、時間の経過や努力によって、今後いくらでも変わる要素を原因と考える人も、必要以上に落ち込むことはありません。もっとがんばるとか、体調を整えるといった何らかの改善策を考えることで、次回はうまくいくとわかっているからです。

しかし内に原因を求める人でも“スランプ体質”を持っている人は、自分の能力や性格、あるいは家柄、遺伝といった、変えにくい要素を原因と考えてしまいます。そのため、打開策を見つけにくく、いったんスランプになると、なかなか抜け出せません。「そういう性格だから、しかたない」と、問題から目をそむけてしまうのです。これでは、こころの落ち込み状態から脱出するのは難しくなります。

しかし、この“スランプ体質”は、決して、先天的なもので変えることが不可能といったものでは
ありません。

“体質改善”をすることは容易です。不調になったら、まずその原因を探します。人間関係でひっかかることがあるのか、疲れているのか、体が悪いのかを考えるのです。原因がわかれば、病院に行くなど、それを取り除く努力をすればスランプも解消できます。

では、原因がわからない時はどうすればいいのでしょうか?そのような時は、ウソでもいいから1つ理由を作ってしまいます。「○○が不調の原因だ」と決め付けます。理由をつくったら、とにかくそれを取り除くようにします。そうすれば、スランプの原因はなくなったのだから、自分はもう脱出できたと考えることができるというわけです。

スランプの原因がわからないまま、こころが落ち込んだ状態に陥ってしまうと、ついその原因を「オレはこれが限界なのか」などと能力に目を向けかねません。才能のせいにしてしまえば、もうどうしようもありません。しかし、このやり方なら、克服のための努力ができます。
 
たとえば、睡眠が足りなかったのだと決めてしまえば、「これから、睡眠時間を1時間増やそう」などと対策も立てられます。スランプはこころの問題が大部分なので、「原因に対処したのだから、これで脱出できる」と思えれば、脱出したも同じなのです。


◆“スランプ思考”に陥りやすいとき


いったん自分の能力を「ダメだ」と考えてしまうと、一つのつまずきがあっただけで、これから先のこともすべて「どうせ能力がないのだから、うまくいくはずがない」と考えてしまいます。これが、スランプに陥っている状態です。“スランプ体質”の人はとくに陥りやすく、そうでない人も、大きな失敗や失敗が続いたことをきっかけに、スランプ状態に陥ることがあります。
 
その結果、今まではテキパキと決められたことが決められなくなったり、たいした問題ではないと思えることにやたらとこだわったり、気にするようになり、結論が消極的でネガティブなものになります。このような考え方が、“スランプ思考”です。これは、“スランプ行動”を招く原因にもなり、スランプから脱出できない、一番の問題でもあります。
 
スランプから脱出するには、この“スランプ思考”をやめることが大切になるのですが、そのためには、「やれば成功する」という見通しを持つことです。「ダメだ」と思い込んでいる自分に、「本当は能力があるんだ。ダメだったのは、能力以外のところに原因があったんだ」と気づかせれば、“スランプ思考”を止めて、スランプ脱出の糸口が見つかります。
 
こんな実験があります。小学6年生232名に知能検査と学力検査を実施しました。そして、知的な能力はちゃんとあるが、学力はそれに追いついていない子どものなかで、できない理由を「自分には能力がないため」という“スランプ思考”に陥っている子供を7人選び出しました。
 
教科は算数で、毎日、10分くらいの簡単な計算問題をやらせ、感想も書いてもらいます。そして、添削して翌日に返し、その添削を読んでもらいます。その添削には、「ここはこういうふうに考えるとやりやすいぞ」「こういう工夫をすると解けるぞ」といったことを書きます。つまり、あなたができないのは、能力のせいではなく、解くためのちょっとした工夫を知らないためとか、努力が少し足りないためと理解させるのです。

1日目、2日目あたりの子どもの感想は、「自分はできない」「能力がない」というものが多かったのですが、1週間目になってくると変わってきました。「努力したから上がった」「努力しなかったから前はできなかったんだ」と、自分の能力を正当に評価するようになりました。

もちろん点数の方も、それにしたがって上がっていきました。同じクラスの他の子どもたちと一緒に行ったテストの結果、以前の平均点は、他の子どもたちが67点、対象の子どもたちが57点だったのが、1週間で、73点と73点、同じ点数が取れるようになりました。

対象となった小学生たちは添削指導によって、「点数が悪いのは、能力のせいではなく、勉強の仕方が悪かったからなんだ。やればできるようになるんだ」と、成功への見通しを立てることができました。その結果、スランプ思考から脱出し、点数が上がったのです。


◆“スランプ思考”が“スランプ行動”を生み出す


「どうせ、自分はダメな人間だ」「きっと、またうまくいかない」と“スランプ思考”に陥っていると、それは行動面にも現れてきます。ダメだと思うから、現状を変えようとしないし、なんとかしようと努力もしません。また、やろうとしても自信がないから、不安や緊張で行動が萎縮したり、消極的なものになりやすくなります。これが“スランプ行動”です。

スランプに陥ったとき、体にどのような変化が起こるかというと、まず、ドキドキする、冷や汗をかく、体に力がはいる、といった変化が起きます。いつもと違う状態なので、当然失敗も起こりやすくなります。
また、会社が嫌だと思っていると、そこに向かう足取りが重く、ついうつむきがちになるといった行動になります。

“スランプ行動”が起こるようになると、いつもは平気でやっていることにもリラックスして取り組めなくなってしまいます。そのため、ますます失敗したり、ダメな結果を招きやすくなります。たとえば、机に向かっても、「またダメだったらどうしよう」ということばかり考え、不安で目の前の仕事に集中できないため、さらに失敗を招きやすくなります。すると、「やっぱりオレはダメなんだ」と、“スランプ思考”がより強固なものとなります。そうして、ますます“スランプ行動”に拍車がかかる、といったスランプの悪循環にはまり込んでしまいます。

“スランプ思考”は、“スランプ行動”を、“スランプ行動”は “スランプ思考”をお互い強め合う関係にあるのです。この“スランプ思考” “スランプ行動”のいずれかを断ち切れば、スランプ脱出への糸口も見つかるのです。


◆スランプ退治のカギ


“スランプ思考” にしても、“スランプ行動”にしても、自分に対する自信を失っているというところからきている問題です。「営業成績が下がった」など、客観的にダメと思われる場合のスランプでも、本当の原因は、自分の気持ちや考え方が正常な状態ではなくなったところにあります。それが行動面にも変化が起こった結果、「営業成績が下がる」というかたちで現れたのです。

どのようなスランプであっても、脱出にもっとも大切なのは、“スランプ体質” “スランプ思考” “スランプ行動”の3つを追放することです。失った自分への自信を回復させ、うまくいっていた頃の考え方や気持ちの持ち方を取り戻し、抜け出すことができるのです。

その具体的方法としては、認知行動心理学の基本である「セルフ・モニタリング」と「セルフ・コントロール」です。「セルフ・モニタリング」とは、自分の現状を客観視することです。自分では「ダメだ」と思っているが、本当にそうなのか、現実をゆがんで受け止めているために、必要以上にダメだと思い込んでいるのではないか、そうであるとしたら、いったいどこがおかしいのか、といったことに気づくための方法です。

「セルフ・コントロール」とは、スランプで落ち込んだ気持ちを自分でポジティブな方向に持っていく方法です。今の生活ぶりや考え方、行動などをちょっと変える方法で、それがスランプで落ち込んだこころを元に戻すきっかけづくりをしてくれるのです。

この「セルフ・モニタリング」「セルフ・コントロール」の2つこそ、スランプ退治のカギです。“あばたもえくぼ”といいますが、気持ちの持ちようで見方や感じ方はいくらでも変わるものです。そればかりか、「病は気から」という言葉が示すように、体調まで変わってくるものなのです。「笑う門には福来たる」などは、まさしくスランプの人に参考にしてほしい言葉です。楽しいと思えば、行動も積極的になり、スランプから抜け出せ、本当に福がやってくるものなのです。

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