上司 |
「でも、辛いこともあったんじゃないかな。もう辞めてしまいたいとか」 |
部下 |
「ええ、練習で足を骨折したことがあって、いくつかの大会に出られなかったんです。それを目標にしてたから、悔しかったですね」 |
上司 |
「そんなこともあったのか。それで、どうしたの?」 |
部下 |
「1日も早く復帰したかったんで、入院中はダンベルで上半身を鍛えてました。病院の人は驚いてましたが」 |
上司 |
「じゃあ、諦めなかったんだ」 |
部下 |
「はい、なにくそと思っていましたね。負けるもんかと」 |
上司 |
「それは、いまと同じ状況じゃないのかな。お得意さんと納期のことでトラブルを抱えているからって、担当を換えて欲しいというのは分かる。でも、過去に困難を克服してきた君じゃないか。あの頃の君だったら、どうしただろうか?」 |
部下 |
「あの頃ですか?簡単には諦めないと思います」 |
上司 |
「諦めない?それからどうすると思う?」 |
部下 |
「その時点で何ができるか、そこを考えるんじゃないでしょうか」 |
上司 |
「いまはどうかな?何ができると思う?例えば、君が先方の担当者だったら、どうして欲しいと考えるだろうね」 |
部下 |
「そうですね、気心が知れた相手という甘えがあったかもしれません。もう一度、先方に会って問題をきちんと整理し、自分に何ができるか洗い直してみます」 |