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自律神経失調症調査表
統合失調症
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精神分裂病と呼ばれていた精神疾患で、2002年に改名されて、「統合失調症」という病名になりました。「精神分裂病」という言葉が、人格が分裂しているような印象を与えてしまい、差別や偏見の原因になっているとして、患者さんや家族から変更を求める強い要望があったためです。
◆原因
脳のはたらきの一部が阻害されて、現実と非現実の区別がつかなくなってしまい、そのため感情のコントロールや正しい意思決定ができなくなったり、良好な対人関係を保つことが困難になるのが統合失調症です。
全人口の0.5〜1.5%前後、200人に1人程度が一生のうちどこかで発病し、15〜30歳の間に発病することが多いとされています。発病のピークは、男性が青年期で18〜25歳、女性が青年期から成人期の26〜45歳くらいだといわれていますが、若年での発症や、晩年になってからの発症もみられます。
統合失調症の原因はまだ十分には解明されていませんが、脳内の神経伝達のシステムに障害が生じることにより精神症状が起こるのではないかという説が、今のところもっとも有力です。
また、統合失調症は神経伝達物質の障害だけで発症するのではなく、もっと複雑な要因が絡み合って発症するのだと考えるグループもいます。たとえば体質的に精神的・身体的なストレスに弱い人がストレスの多い状況下におかれると発症するリスクは高まります。
さらに遺伝的な要因についても解明が進められていますが、統合失調症自体が遺伝するのではなく、生物学的な体質の弱さ、つまり“かかりやすさ”が遺伝するのではないかと考えられています。
確実に分かっていることは、外傷体験、虐待、個人的欠陥などによって起こるわけではないということです。
◆遺伝について
家族に統合失調症に罹った人がいない場合で発症率は1%ぐらいです。両親または兄弟姉妹の誰か一人が罹ったことがある場合では10%前後ぐらいだといわれています。
家族の中に罹患した人がいても30代の終わりごろまでにこの病気の徴候が認められなければこの疾患に罹ることはまずない、といわれています。
◆発症時期
あらゆる年齢のどのような人にも発症する可能性がありますが、たいていは思春期から40歳ごろまでです。
◆症状の経過
統合失調症の症状にはさまざまなものがあり、しかも、一人の患者さんにすべての症状が現れるとは限りません。症状は幻覚や妄想が起こる「陽性症状」と、反対に意欲の低下や感情が乏しく、非行動的になる「陰性症状」および、言動にまとまりがなくなる「解体症状」に分けられています。
陽性症状には、現実にはない声に話しかけられたり、命令されたりする「幻聴」、誰かから被害を受けていると思いがちになり、誰かに監視されている、自分をあやつるものがいる、まわりから嫌がらせをされる、仲間はずれにされるなどと思い込んでしまう「妄想」などがあります。
解体症状には、混乱や興奮のため、まとまりのない会話になる、目的に合った動作ができなくなる、同じ行動や姿勢をとり続ける、まわりの音や感じたことをゆがんだ形で認識しておびえる、過敏になって、些細なことで怒ったりとり乱したりする、といったことがあげられます。
陽性症状は、「前駆期」と呼ばれる症状が活発に現れる時期を経た、「急性期」に主にみられます。
統合失調症の一般的な経過
前駆期
急性期
回復期
発病したのちの最初の症状は、不安、緊張や抑うつ症状。頭痛、吐き気などのさまざまな身体的不調が加わる場合もあります。
不安がさらに加速され、「自分が知らない場所で何かがしくまれている」などといった“妄想気分”や幻覚などが現れます。
回復のための活力が次第にみなぎってくる時期。(前期は活力の低下や過剰な睡眠が目立つ)社会復帰への焦りが目立つことも特徴です。
慢性化は、これらのどの時期からでも起こる可能性があります
陰性症状」とは、感情の動きが乏しくなったり、周囲に対して無関心になり、やる気が出ない、言葉が少なくなるなど、意欲や行動力が低下する症状を指します。集中力がなくなり、疲れやすくなると、家に閉じこもりがちになります。
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