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外傷後ストレス障害(PTSD)
外傷とは、こころの傷のことであり、心的外傷(トラウマ)とよばれるもので、自然災害、事故、性的暴力、虐待、いじめなど脅威的な出来事やその体験でこころに受けた深い傷が、後々まで精神生活に障害をもたらします。
性的暴力や虐待などの人為性が高く、家族や他人に打ち明けにくい体験ほどトラウマ度は高くなるといわれています。
外傷後ストレス障害は、トラウマを体験後通常数週間から数ヵ月、まれに数年経ってから生じます。全般的な不安や抑うつ、アルコール・薬物依存を合併していることもあります。
◆特徴的な症状
外傷的な出来事の反復的な再体験
・ 出来事を何度も思い出す
・ 出来事についての悪夢を見る
・ 出来事が再現されているように行動したり、感じたりする(フラッシュバックや錯覚、幻覚など)
・ 出来事に似ていたり、象徴するようなものへの心理的苦痛や生理反応(発汗、動悸など)
出来事を思い出させるものへの回避行動
・ 出来事に関連した考えや感情、会話を避ける
・ 出来事を思い出させる場所や人を避ける
無感動や無感覚
・ 孤立感、疎外感
・ 大切な活動への無関心や参加意欲の低下
・ 感情の麻痺
・ 将来に希望が持てない
過覚醒
・ 寝つけない、または途中で目が醒める
・ イライラ感や怒りの爆発
・ 集中力の低下
・ 過剰な警戒心や驚きの反応
◆診断の目安
自分や他者が死にそうになるなど、「耐えがたい外傷経験」をして、強い恐怖を感じた後、その出来事を思い出して恐怖にさいなまれたり、その出来事と似通った状況を避けたり、不眠などさまざまな症状に悩まされる状態を「外傷後ストレス障害」(PTSD)といいます。
事故や暴行、脅迫などの事件や災害、戦争などを体験してから数週間後、多くは3ヵ月以内に発症して「再体験」「回避」「覚醒亢進」の3つの症状がみられます。
「再体験」はそのとき感じた恐怖の感覚をともないながら、外傷的体験を何度も体験することです。また、なんの脈絡もなく、あるいは外傷体験を連想させるものごとに遭遇したことをきっかけにして、映画の一場面のように恐怖の瞬間がありありと思い出される「フラッシュ・バック」を体験するケースもあります。
外傷後ストレス障害(PTSD)の診断の目安
1
自分(もしくは他者が)実際に(または危うく)死ぬ(または重症を負う)ような外傷的な出来事を一度(または数度)、体験し、目撃し、または直面した
2
外傷的な出来事が以下のいずれか(またはそれ以上)で再体験され続けている
a.出来事の反復的、侵入的、かつ苦痛な想起で、それは心像、思考、または知覚を含む
(小さい子どもの場合、外傷の主題または側面を表現する遊びを繰り返すことがある)
b.出来事についての反復的で苦痛な夢
(子どもの場合は、はっきりとした内容のない恐ろしい夢であることがある)
c.外傷的な出来事が再び起こっているかのように行動したり、感じたりする
(小さい子どもの場合、外傷特異的なことの再演が行なわれることがある)
d.外傷的出来事のひとつの側面を象徴し、または類似している内容または外的きっかけに
暴露された場合に生じる強い心理的苦痛
e.外傷的出来事のひとつの側面を象徴し、または類似している内的または外的きっかけに
暴露された場合の生理学的反応性
3
以下の3つ(またはそれ以上)によって示される(外傷以前には存在しなかった)外傷と関連した刺激の持続的回避と、全般的反応性の麻痺
a.外傷と関連した思考、感情、または会話を避けるよう努める
b.外傷を想起させる活動、場所、または人物を避けようと努める
c.外傷の重要な側面の想起不能
d.重要な活動(仕事、学業など)への関心または参加の著しい減退
e.他の人から孤立している、または疎遠になっているという感覚
f.感情の範囲の縮小(例:愛の感情を持つことができない)
g.未来が短縮した感覚(例:仕事、結婚、子供、または正常な一生を期待しない)
4
以下の2つ(またはそれ以上)の持続的な覚醒亢進症状(外傷前には存在していなかったもの)がみられる
a.入眠または睡眠維持の困難
b.易刺激性(ちょっとしたことですぐ怒る)または怒りの爆発
c.集中困難 d.過度の警戒心 e.過剰な驚愕反応
5
外傷後に生じた障害が1ヵ月以上継続している
6
障害は臨床上著しい苦痛または、社会的、職業的または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている
〔参考:アメリカ精神医学会作成『DSM−W精神疾患の診断・統計マニュアル』〕
PTSDの人はそのたびに、強い苦痛を味わい、感情の麻痺や気分の落ち込み、イライラを感じたり、怒りっぽくなる場合もあります。
「回避」というのは、その引き金になるようなものごとを避けて、外傷経験を連想させる会話や活動、場所、人物をしりぞけて、引きこもりがちになる状態です。苦痛から逃れるためにアルコールや薬物の乱用に走る人もいます。
「覚醒亢進」は不眠やイライラ、集中困難など、過敏な反応を示すようになっている状態で、頭痛、食欲減退、全身のだるさなどの身体症状を長期にわたって示す場合もあります。また、愛情を感じなくなったり、他者と自分が分離されているような感覚や、平穏な一生が虚しく感じられたりというような、自己破壊的な衝動を覚える場合もあります。
PTSDはこれらの症状が発症後1ヵ月以上続きます。4週間以内でおさまるものは「急性ストレス障害」といいます。約半数の方が発症後3ヵ月以内に回復していますが、それ以外の多くの方は1年たっても症状が持続しています。この障害は、ベトナム戦争から帰ってきた多くの兵士が、正常な市民生活になかなか戻れなかったことから広く知られるようになりました。日本では、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件の後の被災者に多くみられ、PTSDは社会問題としても認知されています。
◆治療方法
薬物療法
症状に応じて、SSRIなどの抗うつ薬や、抗不安薬、睡眠薬などが処方されます。
精神療法
支持的な精神療法、リラクセーション法、認知行動療法などがあります。不要な自責の念や罪悪感を取り除くことが必要なこともあります。
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