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ヒステリー (転換性障害・解離性障害)
ヒステリーは、従来転換型ヒステリーと解離型ヒステリーに分けられていましたが、ここではDSM―Wの基準に従って、「転換性障害」と「解離性障害」に分けて紹介します。
◆転換性障害
多くの場合、心理的ストレスや葛藤が密接に関係していて、それが身体的症状として転換されたものと考えられています。これらの症状は、意図的に創り出されたり、ねつ造されたものではありません。
器質的な原因がないのに立てない、歩けない、声が出ない、手足がしびれる、けいれんを起こすなどの「運動の障害」や、見えない、聞こえないなどの「感覚の障害」による症状が、ストレスなどの心理的な原因で現れるものを「転換性障害」といいます。
転換性障害は、精神的な問題がからだの症状に「転換」されて出現するとされてきましたが、はっきりしたことはわかっていません。後に神経疾患など、からだの病気が見つかることも少なくありません。症状として、けいれんが起きることもありますが、「てんかん」とは別のものです。解決困難な状況などのストレスにさらされたとき、自分の意思とは無関係にからだの各部位の運動や感覚、知覚が麻痺することがあります。
転換性障害は、女性にやや多くみられ、青年期および成人期前半で発病する傾向がありますが、どの年代にもみられます。初めは身体疾患との区別ができないため、精神科以外の診療科を受診する場合も多いようです。
転換性障害は、うつ病、さらに、自分が自分であると認識できなくなる「解離性障害」とも緊密な関係があるため、それらと併存しやすいという特徴があります。よって、併存しやすい疾患にも気をつけながら、発症にかかわるストレスや葛藤が生じた生活状況を見つめ直し、信頼できる医師とともに一歩一歩回復へ向かって努力することが大切です。
主
な
症
状
・突然歩けなくなったり、立てなくなる
・声が出ない
・手足の麻痺
・知覚麻痺
・発作やけいれん …など
◆解離性障害
ストレスにさらされたときなどに、現実に起こっていることと、自分の意思・記憶を切り離してしまった状態を「解離」といい、これが強くなった場合を「解離性障害」といいます。
医学的には、解離とは、感情、記憶、アイデンティティ(人格の同一性)、さらに、通常は知覚などと連動して機能している“自我意識”が統合を逸している状態のことを指します。
解離は、多感な思春期に体験する人が多いといわれています。また、小児期には空想の友達を作る子供がいますが、これも解離のしくみがかかわっているといわれています。
解離が日常で起こる軽いレベルを超えてくると、自分の感情がなくなったような気がしたり、生きている現実感が欠落したような感じを覚えます。さらに症状が進むと、自分が体験したことをきちんと覚えていられなくなったり、自分が自分のからだをコントロールしているという感覚が持てなくなって、自分が確かに体験した出来事やそのとき芽生えた感情が、自分のものではないような感覚に陥ります。
知覚の統合が失われると、絶対忘れないような出来事や体験の記憶が、まったく抜け落ちてしまうということもあります。
症状によって3つに分類される「解離性障害」
自分や他人が死にそうになった体験やこころに傷を残すような人生の出来事、事故、災害など、誰もが「耐えがたい」と感じるような経験が、解離性障害を発症する誘因になることがあります。
解離性障害になると、憂うつな気分でふさぎこむ抑うつ症状が現れ、不安感、恥辱感や罪責感を感じて悩むことがあります。また、ED(勃起不全)や性交時に痛みなどを感じる「性機能不全」の症状も現れます。
さらに重症になると、自分のからだを傷つけることによって、心理的な苦しみから逃げようとする“自傷行為”や苦しみから永遠に逃げたいがために自殺願望を抱いてしまったり、実際に自殺の計画を企ててしまうこともあります。
解離性障害は、その症状により次のように分類されます。
●「解離性健忘」(心因性健忘) ― 生活史の一部が抜け落ちる
その人にとって重要な意味をもつ情報、嫌な体験、耐え難いほどの苦痛な体験や強いストレスを経験した後に、その体験を含む一定期間の記憶を思い出せなくなります。(多くは心的外傷体験の記憶にまつわるものが思い出せなくなります。)
通常の記憶や知識は保たれていますが、人の名前が思い出せないというような狭い範囲の健忘ではなく、生活史の一部がそっくり思い出せないという、広範囲にわたる健忘のため、一般的なもの忘れということでは説明できないものです。通常は部分的、選択的なものですが自分の名前や住所などを忘れてしまうこともあります。普通は数日〜数ヵ月で回復しますが、長期化することもあります。
幼児期の虐待や、戦争、大災害、大事故、レイプなどの外傷体験がきっかけになることもあります。
外傷体験そのものは思い出せなくても、憂うつな気分が抜けない抑うつ症状や、何を見聞きしても感情がわかない感情喪失感などを覚えます。また、外傷体験のあった場所や環境はもちろんのこと、それらを思い出させるような音や光、においやイメージによっても、強い不快感や恐怖感を想起する場合があります。
●「解離性同一性障害」(多重人格) ― 人格が交代で現れる
以前は“多重人格”と呼ばれていた障害です。
2つまたはそれ以上の、他とはっきり区別できる「人格状態」が一人の人間のなかに存在しており、それらが交代で表に現れて、繰り返しその人の行動を制御します。それぞれの人格は本人の内面のある部分を代表していると考えられていて、それぞれが独自の性格や思考パターンを持っています。
この障害に陥ると、通常のもの忘れでは説明できないような、重要な個人情報が思い出せなくなってしまうといわれていますが、この障害自体はごくまれなものです。
解離性同一性障害の方は、耐えがたい現実から自分を防衛するために、過去の記憶を分離して、それらをそれぞれの人格状態(交代人格)に担わせるという説もあります。
障害の原因となる外傷体験は、小児期に受けた非常に恐ろしい暴力行為や性的虐待などが多いとされています。
衝動的な人格や攻撃的な人格が頻繁に出現する場合には、精神科での入院治療が必要になることもあります。
●「離人症性障害」(離人神経症) ― “遊離”の感覚に支配される
自己から遊離している、または遠ざかっているという感覚を持つ障害で、精神疾患の中でも比較的多いものです。自分が映画のなかの世界で生きているように感じたり、まるで「幽体離脱」でもしたかのように、自分自身や自分の体験を、少し離れたところから見ているような感覚にとらわれることもあります。
たとえば、頭では悲しむべき出来事に遭遇していることがわかっていても、悲しいという感情がわいてこなかったり、空腹感や尿意などの身体感覚を失ってしまうなど、さまざまな感覚が麻痺したり、自分が存在する実感がなくなったりもします。この障害の特徴は、こうした遊離の感覚をもっていながら、同時に現実を正しく認識できる正常な感覚を持ち合わせていることです。
離人症状は心的外傷やストレスなどの心因により起こりますが、睡眠不足や過労、身体疾患などをきっかけとして起こることもあります。また、パニック障害、うつ病やてんかん、統合失調症の初期症状などでもみられる症状であり、鑑別が非常に大切なため素人判断はせず、専門医に早めに相談しましょう。
離人感
自分が自分であるという感じがしない
自分の体を離れて、遠くから自分を見ているようだ
自分が考え行動しているという実感がない …など
現実喪失感
周囲が舞台の書き割りのように平板で人工的に見える
見るものや聞くものの実感がなくピンとこない
景色と自分との間が何かで遮られているようだ …など
◆その他
トランスおよび
憑依障害
神、魂、または他人の影響を受け、自分の意思を超えて取り付かれているように行動します。
昏迷
ストレスや心的外傷などが心因となって起こった昏迷状態で、長時間動かなくなったり、横になったままの状態になります。音や光などの刺激にも反応しなくなります。
治療方法
●薬物療法
抑うつ症状や不安が強い場合は、必要に応じて抗うつ薬や抗不安薬を併用します。
●精神療法
治療の基本は精神療法です。支持的な精神療法や、本人のプラスの行動を強化する行動療法、精神分析療法、催眠療法などがあります。
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